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浄化槽から変な臭いがする…原因はブロワー故障?交換費用・寿命・今すぐできる対処法

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【完全解説】浄化槽ブロワのトラブル対策|異音・臭気・故障の原因と対処法・交換費用まで徹底解説

浄化槽の心臓部とも言える「ブロワ」。異音がしたり、悪臭が発生したりするトラブルは、ブロワの不調が原因かもしれません。本記事では、ブロワの役割から故障のサイン、具体的なトラブル対処法、交換時期・費用相場、予防メンテナンスまで、初心者でも分かるように徹底解説します。

⚠️ こんな症状があったら要注意!
✓ ブロワから普段と違う音がする
✓ 浄化槽周辺から悪臭がする
✓ ブロワが止まっている・動いていない
✓ 電気代が急に上がった

要点サマリ(3分で把握)

ブロワの役割

浄化槽内に酸素を供給し、汚水を分解する微生物を活性化させる重要な装置。ブロワが止まると浄化機能が失われ、悪臭や水質悪化の原因に。

故障のサイン

異音・悪臭・水面の泡が消える・ブロワの停止・電気代の急増などが主な兆候。放置すると修理費用が高額になる可能性あり。

寿命と交換費用

一般的な寿命は5~7年。交換費用は5万円~12万円が相場。定期メンテナンスで寿命を延ばすことが可能。

ブロワは24時間365日稼働する消耗品です。定期的な点検とメンテナンスで、突然の故障を防ぎましょう。

浄化槽ブロワとは?役割と重要性

浄化槽ブロワは、浄化槽内に空気(酸素)を送り込む装置です。浄化槽では、微生物が汚水中の有機物を分解して水をきれいにしますが、この微生物は酸素がないと活動できません。ブロワが空気を送り続けることで、微生物が活発に働き、浄化槽が正常に機能します。

ブロワが果たす3つの重要な役割

1. 酸素供給

好気性微生物に必要な酸素を供給し、汚水分解を促進します。

2. 水の循環

空気の泡で浄化槽内の水を攪拌し、均一な処理を可能にします。

3. 臭気抑制

十分な酸素供給により、悪臭の原因となる嫌気性菌の発生を抑えます。

ブロワの仕組み

ブロワは電動モーターで空気を吸い込み、配管を通して浄化槽の底部に設置された散気装置(エアストーン)から細かい泡を放出します。この泡が水中を上昇することで、槽内全体に酸素が行き渡ります。

一般的な家庭用浄化槽のブロワは、20W~60W程度の電力で24時間365日連続運転しています。

ブロワ故障の5つのサイン【すぐ確認】

ブロワの故障は早期発見が重要です。以下のサインが見られたら、すぐに点検・対応が必要です。

症状 考えられる原因 緊急度
異常な音がする
(ガラガラ、キーキー、ブーン)
内部部品の摩耗・劣化
軸受けの損傷
異物の混入
中~高
浄化槽周辺の悪臭 ブロワ停止による酸素不足
微生物の活動低下
水面の泡が出ない ブロワの完全停止
配管の詰まり
散気装置の目詰まり
ブロワが動かない 電源トラブル
モーター焼損
ブレーカー落ち
最高
電気代の急増 モーター効率の低下
過負荷運転
緊急度「高」以上の症状が出たら、すぐに専門業者に連絡してください。放置すると浄化槽全体の機能が停止し、高額な修理費用が発生する可能性があります。

自分でできる簡単チェック方法

  • ブロワ本体に触れて、振動を感じるか確認
  • ブロワの動作音を普段から記憶しておく
  • 浄化槽の蓋を開けて、水面に泡が立っているか確認
  • 悪臭の有無を定期的にチェック
  • 電気メーターの数値を月ごとに記録

よくあるブロワトラブルと対処法

ブロワのトラブルは原因ごとに適切な対処が必要です。ここでは代表的なトラブルと対処法を解説します。

トラブル1:異常な音がする

症状の詳細

  • 「ガラガラ」という金属音
  • 「キーキー」という高音
  • 「ブーン」という低いうなり音
  • 普段より大きな音

原因と対処法

原因:内部部品の摩耗、軸受けの劣化、異物混入

対処:自己修理は危険。専門業者に点検を依頼し、部品交換または本体交換を検討。放置すると完全故障につながる。

トラブル2:悪臭が発生する

臭いの種類

  • 硫黄のような腐卵臭
  • アンモニア臭
  • ドブのような臭い

原因と対処法

原因:ブロワ停止による酸素不足で嫌気性菌が増殖

対処:①ブロワの動作確認 ②すぐに業者へ連絡 ③ブロワ復旧まで換気を強化 ④近隣への説明も検討

トラブル3:ブロワが完全に止まっている

即座に確認すべきポイント

  1. ブレーカーが落ちていないか:分電盤を確認し、落ちていたら上げる
  2. 電源プラグが抜けていないか:コンセントの接続を確認
  3. タイマー設定(ある場合):誤設定でないか確認
  4. 漏電遮断器の作動:漏電の可能性があれば業者を呼ぶ

電源関係の確認で解決しない場合は、モーター故障の可能性が高いです。すぐに業者へ連絡してください。浄化槽は24時間以上ブロワが停止すると、機能が著しく低下します。

トラブル4:水面に泡が立たない

チェック箇所 確認内容 対処法
ブロワ本体 音がして動いているか 止まっている→電源・本体故障を確認
配管 空気が通っているか 配管の折れ・詰まりをチェック
散気装置 目詰まりしていないか 業者に清掃・交換を依頼

トラブル5:電気代が急に上がった

ブロワのモーター効率が低下すると、消費電力が増加します。これは内部の摩耗や負荷の増大が原因で、交換のサインです。

通常、家庭用ブロワの月額電気代は300円~800円程度です。これより大幅に増えている場合は要注意。

日常メンテナンスで寿命を延ばす方法

定期的なメンテナンスで、ブロワの寿命を大幅に延ばすことができます。以下のポイントを押さえましょう。

自分でできる日常メンテナンス

月1回のチェック

  • ブロワの動作音を確認
  • 浄化槽の水面に泡があるか確認
  • 悪臭の有無をチェック
  • ブロワ周辺の清掃(ホコリ除去)

3ヶ月に1回のチェック

  • フィルター(ある場合)の清掃
  • 配管の接続部の確認
  • ブロワ本体の異常な熱がないか
  • 振動の変化をチェック

専門業者によるメンテナンス

以下は専門業者に依頼すべき項目です:

頻度 メンテナンス内容 費用目安
年1回 ブロワ本体の詳細点検・内部清掃 5,000円~10,000円
年1回 散気装置の清掃・交換 8,000円~15,000円
年1回 配管の点検・清掃 3,000円~8,000円
3~5年ごと 消耗部品の交換 10,000円~30,000円

保守点検契約に含まれている場合が多いので、契約内容を確認しましょう。

ブロワの設置環境を整える

  • 直射日光を避ける:屋外設置の場合は日よけを設置
  • 雨水の浸入を防ぐ:カバーや屋根で保護
  • 通気を確保:ブロワ周辺に物を置かない
  • 振動を抑える:防振ゴムの設置を検討

ブロワの寿命と交換時期の見極め方

浄化槽ブロワの一般的な寿命は5~7年ですが、使用環境やメンテナンス状況により大きく変わります。

寿命を判断する4つの基準

1. 使用年数

5年以上:注意が必要
7年以上:交換を検討
10年以上:早急に交換

2. 故障頻度

年1回以上の修理:本体交換を検討
修理費用が新品の半額を超える場合も交換推奨

3. 性能低下

泡の量が減った、音が大きくなった、電気代が増えたなどの症状

4. 製造終了

メーカーが部品供給を終了している場合は交換必須

交換すべき7つのサイン

  1. 異音が頻繁に発生し、音が大きくなってきた
  2. 修理しても数ヶ月でまた故障する
  3. 電気代が以前の1.5倍以上に増えた
  4. 浄化槽から悪臭が消えない
  5. 使用年数が7年を超えている
  6. メーカー保証期間が終了している
  7. 修理費用が新品価格の50%以上

「もう少し使えそう」と放置すると、突然の完全故障で緊急対応が必要になり、費用が割高になります。計画的な交換がおすすめです。

ブロワ交換の費用相場【2025年版】

ブロワの交換費用は、浄化槽の規模(人槽数)や機種により異なります。

交換費用の内訳

項目 費用相場 備考
ブロワ本体 30,000円~70,000円 5人槽の標準的な機種
工事費 15,000円~30,000円 取り外し・取り付け・配管接続
出張費 0円~10,000円 業者により異なる
廃棄処分費 3,000円~5,000円 旧ブロワの処分
合計 50,000円~120,000円 一般的な目安

人槽数別の費用目安

5人槽

5万円~8万円

最も一般的な家庭用サイズ

7人槽

7万円~10万円

大家族・二世帯住宅

10人槽以上

10万円~15万円

店舗併用・小規模事業所

省エネ型・高機能ブロワへのグレードアップ

交換のタイミングで、省エネ型や静音型ブロワへのグレードアップを検討する価値があります。

機種タイプ 追加費用 メリット
標準型 ±0円 基本性能、コスト重視
省エネ型 +10,000円~20,000円 電気代が年間2,000円~4,000円削減
静音型 +15,000円~30,000円 騒音を30%~50%削減
インバーター制御型 +20,000円~40,000円 省エネ+長寿命+静音の三拍子

省エネ型は初期投資が高くても、3~5年で電気代の差額で元が取れるケースが多いです。

費用を抑える3つのポイント

  1. 複数業者から相見積もりを取る:3社以上比較すると相場が分かる
  2. 保守点検業者に依頼する:新規業者より割安な場合が多い
  3. 繁忙期を避ける:夏場(7~8月)は高くなる傾向

トラブルを未然に防ぐ5つのポイント

ブロワのトラブルは、日頃の注意で大部分が予防できます。

1. 定期的な動作確認

月に1回は以下を確認しましょう:

  • ブロワの動作音を聞く
  • 浄化槽の水面に泡があるか
  • 悪臭がないか

2. 保守点検契約の活用

専門業者との年間契約で:

  • 定期的なプロの点検
  • 緊急時の優先対応
  • トータルコストの削減

3. 記録をつける

以下を記録すると異常の早期発見に:

  • 月々の電気代
  • 点検・清掃の日付
  • 気づいた変化

4. 設置環境の改善

ブロワを長持ちさせる環境づくり:

  • 直射日光を避ける
  • 雨水の浸入を防ぐ
  • 通気性を確保する

5. 早めの対応を心がける

「ちょっと変だな」と感じたら、すぐに業者へ連絡を。小さな異常を放置すると、大きな故障につながります。

やってはいけないNG行動

⚠️ 絶対にやってはいけないこと

  • ブロワを勝手に分解する:感電や破損のリスク
  • 異音を放置する:完全故障につながる
  • 電源を頻繁にON/OFF:モーターに負担がかかる
  • 資格のない業者に依頼:不適切な工事で悪化する可能性

緊急時の応急処置と業者の選び方

ブロワが止まった!応急処置の手順

Step 1:即座の確認(5分以内)

  1. ブレーカーが落ちていないか確認
  2. 電源プラグが抜けていないか確認
  3. 漏電遮断器が作動していないか確認

Step 2:業者への連絡(すぐに)

  • 保守点検業者に連絡
  • 症状を具体的に伝える
  • 緊急対応の可否を確認

Step 3:復旧までの対応

  • 浄化槽周辺の換気を強化
  • 水の使用を最小限に抑える(可能な範囲で)
  • 近隣に臭気が広がる場合は状況を説明

ブロワが24時間以上止まると、浄化機能が大幅に低下します。できるだけ早い復旧が重要です。

信頼できる業者の選び方

チェック項目 確認ポイント
資格・許可 浄化槽管理士、浄化槽設備士などの有資格者が在籍
実績 地域での実績年数、施工事例の有無
見積もり 明細が詳細、追加費用の説明が明確
対応力 緊急時の対応可否、連絡のつきやすさ
保証 工事後の保証期間、アフターサービス
説明 素人にも分かりやすい説明をしてくれるか

業者へ伝えるべき情報

スムーズな対応のため、以下の情報を準備しておきましょう:

  • 浄化槽の人槽数(5人槽、7人槽など)
  • ブロワの設置年数(分かれば型番も)
  • 具体的な症状(異音、悪臭、停止など)
  • いつから症状が出ているか
  • 前回の保守点検・清掃の日付

よくある質問(FAQ)

ブロワは24時間つけっぱなしで大丈夫ですか?

はい、24時間365日連続運転が正常です。ブロワは常時運転を前提に設計されており、止めると浄化機能が低下します。電源を切ると:

  • 微生物が酸素不足で死滅する
  • 悪臭が発生する
  • 水質が急速に悪化する

「電気代がもったいない」という理由で止めるのは絶対にNGです。

ブロワの音がうるさいのですが、対策はありますか?

対策方法は複数あります:

  1. 静音型ブロワに交換:最も効果的(+2~3万円程度)
  2. 防振ゴムの設置:振動による騒音を軽減(5,000円~)
  3. 防音ボックスの設置:音を物理的に遮断(2~4万円)
  4. 設置場所の変更:居住空間から離す(工事費別途)

ただし、突然音が大きくなった場合は故障のサインです。すぐに点検を受けてください。

ブロワの電気代はどのくらいですか?

一般的な家庭用(20~60W)で月300円~800円程度です。

消費電力 月額電気代(目安)
20W 約300円
40W 約600円
60W 約900円

※電気料金単価30円/kWhで計算

省エネ型に交換すると、年間2,000~4,000円の節約になります。

自分でブロワを交換できますか?

おすすめしません。理由は以下の通りです:

  • 電気工事の資格が必要な場合がある
  • 配管接続を誤ると浄化機能が低下
  • 適切な機種選定が難しい
  • 保証が受けられない可能性
  • 感電や漏電のリスク

必ず浄化槽管理士や電気工事士の資格を持つ専門業者に依頼してください。

ブロワが故障したまま放置するとどうなりますか?

非常に危険です。以下のような問題が発生します:

放置のリスク

  • 環境汚染:未処理の汚水が放流される
  • 悪臭:強烈な臭いで近隣トラブルに
  • 浄化槽の損傷:嫌気化で槽内が腐食
  • 高額修理:浄化槽全体の修繕が必要になることも
  • 法令違反:浄化槽法違反で罰則の可能性

発見したら24時間以内に業者へ連絡してください。

中古のブロワを使っても大丈夫ですか?

おすすめしません。中古ブロワのリスク:

  • 残存寿命が不明
  • メーカー保証がない
  • すぐに故障する可能性が高い
  • 部品が入手できない場合がある

新品との価格差は1~2万円程度なので、長期的には新品の方がコスパが良いです。

ブロワの交換時期を教えてください。

以下のいずれかに該当したら交換を検討してください:

  1. 使用年数が7年以上
  2. 年に2回以上修理している
  3. 修理費用が新品の半額以上
  4. 異音・悪臭が頻繁に発生
  5. 電気代が以前の1.5倍以上
  6. メーカーの部品供給が終了

突然の故障より、計画的な交換の方が費用を抑えられます。

台風や大雨でブロワが水没したらどうすればいいですか?

絶対に電源を入れないでください。以下の手順で対応:

  1. 電源を切る(ブレーカーも落とす)
  2. 業者にすぐ連絡(緊急対応依頼)
  3. 乾燥を待つ(自然乾燥後も内部点検必須)
  4. 保険の確認(火災保険で補償される場合あり)

水没後に無理に動かすと、ショートや火災の危険があります。必ず専門業者の点検を受けてください。

まとめ:ブロワトラブルは早期発見・早期対応が鍵

浄化槽ブロワは24時間365日働き続ける重要な装置です。異音や悪臭などのトラブルサインを見逃さず、早めに対応することで、高額な修理費用や突然の故障を防ぐことができます。

覚えておくべき3つのポイント

  1. 寿命は5~7年、それ以上なら交換検討
  2. 異音・悪臭は故障のサイン、放置は厳禁
  3. 定期メンテナンスで寿命延長、年1回は専門点検を

費用の目安

  • 交換費用:5万円~12万円
  • 月額電気代:300円~800円
  • 年間点検:5,000円~1万円

緊急時の連絡先

  • 保守点検業者の連絡先を保管
  • 24時間対応可能か事前確認
  • 複数の業者情報を持っておく
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