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浄化槽のブロワーが故障したら|原因の切り分け・応急処置・交換目安を完全解説
ブロワー停止は好気処理の失速=水質悪化に直結。現場でできる一次対応から交換判断まで、図解とチェックリストで整理します。
ブロワーの役割と止まったときの影響
好気槽へ酸素を供給し微生物の活動を支える心臓部。停止が続くと臭気・濁り・放流水悪化が連鎖します。
仕組みの全体像は 浄化槽の仕組みと種類まとめ を参照。
「壊れかけ」のサイン
- 異音・高温・振動の増加
- 気泡が弱い/風量低下
- ブレーカーが時々落ちる
主な故障原因と切り分け
1)モーター・ベアリング劣化
使用年数10年前後で摩耗。焼け匂い・過熱は要注意。
2)吸気フィルター詰まり
粉塵で目詰まり→風量低下。定期清掃で復旧すること多数。
3)電源系トラブル
過電流・配線ゆるみ・コンセント劣化等。資格者に点検依頼。
4)配管の亀裂・エア漏れ
継ぎ目・ホース割れ。泡量の偏りや無気泡エリアがヒント。
応急処置(現場フロー)
- 安全確保:電源OFF→周囲確認(感電・焼損に注意)
- ブレーカー確認:復帰するかを確認
- 吸気口・フィルター清掃:目詰まり除去
- ホース・配管点検:割れ・抜け・漏れを補修
- 代替送風:可搬型ブロワーで一時運転(可能なら)
- 業者手配:根本修理または交換の見積
内部の分解は資格者へ。無理せず早期連絡が結果的に安上がりです。
交換判断と選定ポイント
- 耐用年数:目安10年前後(使用環境で前後)
- 必要風量/静圧:槽仕様・散気方式に適合
- 消費電力・騒音:運転コストと住環境
- メンテ性:フィルター交換の容易さ、部品供給
- 予備機:施設用途はBCP観点で推奨
長持ちさせる運用
- 月1回:吸気フィルターの埃取り
- 配管の結露・油分付着を点検
- 異音・振動・温度の変化を“いつもと違う”で記録