【完全解説】浄化槽の法定検査の成り立ちと受検ポイント(7条・11条の違い/費用/当日の流れ)
「なぜ受けるの?」「何を見られる?」に答える成り立ちと目的、7条・11条の違い、費用・頻度・当日の流れをわかりやすく整理。準備物チェックとよくある指摘まで一気に把握できます。
法定検査の要点(結論)
何のため?
浄化槽の機能の確保と生活環境保全のため。設置・維持管理が適正かを第三者(指定検査機関)が確認します。
いつ/何回?
7条検査:設置後(使用開始後)に1回。
11条検査:毎年1回の定期検査。
準備物
維持管理記録(保守点検・清掃・薬剤記録)、検査通知、鍵、立会者、マンホール周辺の安全確保など。
お金の目安
5~10人槽で約4,000~12,000円/年(地域・機関で変動)。
成り立ちと目的
浄化槽法(旧浄化槽設置整備事業を経て整備)により、適正な設置・維持管理・検査が制度化。小規模排水処理の性能確保と水環境保全、生活衛生の維持が目的です。法定検査は、保守点検や清掃とは独立した第三者チェックとして位置づけられます。
7条検査と11条検査の違い
| 項目 | 7条検査 | 11条検査 |
|---|---|---|
| タイミング | 設置・使用開始後に1回 | 毎年1回(定期) |
| 主な確認 | 設置の適否、性能の初期確認 | 維持管理の適正、処理性能の継続性 |
| 必要書類 | 図面・設置関係書類 等 | 保守点検記録・清掃記録・薬剤記録 等 |
| 所要時間 | 30~60分目安 | 30~60分目安 |
検査当日の流れと所要時間
- 受付:通知書・身分確認、書類確認
- 外観・安全:マンホール・配管・悪臭・漏水・電源確認
- 運転状態:ブロワ・ばっ気状態・異音/振動
- 水質簡易検査:透視度・pH、必要に応じ採水
- 記録確認:点検/清掃の頻度と整合性
- 結果説明:指摘事項・改善の依頼
悪天候や危険がある場合は検査が延期されることがあります。周辺の草刈り・安全動線を事前に確保。
費用・頻度の目安
| 区分 | 頻度 | 手数料の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 7条検査 | 設置後に1回 | 地域料金表に準拠 | 使用開始後の早期に実施 |
| 11条定期検査 | 年1回 | 5~10人槽で約4,000~12,000円 | 地域・方式で変動 |
費用は各自治体の指定検査機関が定める料金表に従います。最新の料金はお住まいの地域でご確認ください。
事前準備と当日のチェックリスト
- 記録簿の準備:保守点検・清掃・薬剤補充記録を時系列で整理
- アクセス確保:マンホール周りの草木伐採、蓋の開閉可否
- 安全確保:転落・ガス・電気に配慮、立会者の配置
- 異常の共有:臭気/泡立ち/騒音などの最近の変化
- 是正計画:指摘時の対応フロー(事業者連絡・日程)
よくある指摘と是正のコツ
記録不備
記録簿の欠落・頻度不足。電子データ+紙の二重管理が安心。
ばっ気不良
フィルタ目詰まり・ホース劣化。吸気フィルタ清掃とホース交換で改善。
清掃不足
汚泥蓄積で水質悪化。方式に応じた年1回~半年1回の清掃を厳守。
消毒剤切れ
補充忘れで放流水の衛生性低下。点検時の残量確認をルーチン化。
関連リンク
よくある質問(FAQ)
検査を受けないとどうなる?
法令違反となり、行政指導や命令の対象になる場合があります。環境保全とご近所トラブル防止のためにも必ず受検しましょう。
誰が実施する?
各都道府県等が指定した指定検査機関が実施します。自治体の案内や通知書の指示に従ってください。
費用はどこに支払う?
検査手数料は指定検査機関へ。支払方法(口座振替・振込・当日現金など)は地域により異なります。
当日の立会いは必要?
基本は必要です。鍵の開閉、安全確保、記録類の提示が求められます。